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指定種別 | 国・重要文化財(美術品) |
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指定年月日 | 平成5(1993)年6月10日 |
製作年・時代 | 鎌倉時代 |
員数 | 3面 |
構造等 |
忍骨尊像:鏡板径45cm、像高26.5cm、像奥行5.7cm |
所在地 | 添田町大字英彦山 |
備考 | 三面共に、下辺右回りに蹴彫銘「彦山下宮御正躰/勧進大千房」 鏡板左右に籠字刻銘「大檀那」「左衛門尉藤原能直/三箇国守護」 |
鎌倉時代、豊前・豊後・筑後国の守護であった、大友能直が下宮御正体として奉納したものです。
径42cm余りの円鏡に錫箔、像の随所に金箔が残ることから、奉納当初は金銀に輝く、非常に荘厳なものであったことが分かります。
また、彦山(近世以降は英彦山)は、北岳、中岳、南岳の三峰から成り、その祭神は、北岳(法躰岳/天忍穂耳命)、中岳(女体岳/伊邪那美命)、南岳(俗体岳/伊邪那岐命)と伝わっていることから、本御正体のうち像の欠けている鏡板には、伊邪那美命の像があったと推察されます。
彦山権現の信仰資料として貴重な資料です。
※「権現(ごんげん)」…仏教では、仏、菩薩が衆生を救うために種々の姿となって権(かり)に現れることを指し、本地垂迹説では、仏の姿をかりて日本の神として現れることです。権(かり)とは、臨時の・仮のという意味です。
※「正体(しょうたい)」…御神体のことを指します。