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花見岩は全体が岩でできた小さな丘で、英彦山別所駐車場の南側にあります。小道を20メートルも登ると頂上で、南には旧彦山の町並みが眼下に開け、一望することができます。春には里全体が桜のなかに埋まっているように見え、展望の素晴らしさとともに「花見岩」の名前がピッタリです。
この花見岩には、青木月斗の「三千の 坊のあとなる 田植哉 月斗」と刻まれた句碑が建てられています。
江戸時代、英彦山には山伏の住居である坊舎が約3,000軒あったといわれますが、明治時代に修験道が禁止されると、英彦山から山伏たちの姿が消え、坊舎もだんだんとなくなりました。その跡地で行わる田植え風景を詠んだ句です。
この句のほかに、月斗は、昭和12(1937)年に英彦山で開催された句会で「彦山や がらがらの音も 梅雨じめり」という句も詠んでいます。