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昔、鬼たちが英彦山へ住む場所を求めてやってきた。
困った英彦山の神様は、なまけ者の鬼たちが一夜で家を建てることができないだろうと考え、鬼たちへ「一夜で家を建てることができたら、英彦山に住むことを許してやろう」と伝えた。
すると、鬼たちはせっせっと家づくりにはげみ、夜が明ける前には完成間近となった。
おどろいた英彦山の神様は、竹の笠を両手に持ち、バタバタと鳥の羽ばたきをまね、夜明けを告げるニワトリの鳴き声をまねた。
その鳴き声を聞いた鬼たちは、夜が明けたと思い残念そうに英彦山から去って行った。
その時、鬼の首領が山に刺した杉の杖が「鬼杉」になったといわれている。