ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 添田町の神話・伝説・民話 > 添田町の民話 カッパのはなし その3

本文

添田町の民話 カッパのはなし その3

ページID:0001590 更新日:2025年1月10日更新 印刷ページ表示

カッパのはなし(その3)

 昔、庄のある池に親を人間に殺されたサラ吉というみなしごカッパが住んでいて、魚たちと暮らしていた。
 ある日、大雨が降って、池の中に木の丸太や石が激しく流れこみ、多くの魚が死に、サラ吉も右腕を折ってしまった。その痛みは日に日にひどくなり、魚たちのすすめもあって、しかたなく、恐れていた人間の医者のところに行った。
 医者は「ほほう、これはめずらしい病人じゃ」と言いながらも、親切に手当をしてくれたのでサラ吉は安心して通い、28日目に「よくなったので、もう来なくてもよい」といわれた。
 サラ吉は、医者の手厚い治療に何かのお礼をと考えるが、何もないので思案にくれていると、母親が残した箱があることを思い出した。
 サラ吉は池の底にもぐり、箱を取り出してあけると、「カッパの妙薬」と書いてあったので、良いものがあったとこれを医者のところに持っていった。

 それからというものは、親切な医者の病院は「カッパの妙薬」で有名になり、末永く栄えたということである。