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添田町の民話 カッパのはなし その2

ページID:0001589 更新日:2025年1月10日更新 印刷ページ表示

カッパのはなし(その2)

 昔、中元寺は虫生の庄といって、芦がしげる湿地が多くあった。
 ある日の夕方のこと、一人の子どものような者が、民家を訪ね「今夜、大雨が降って山が抜けるから逃げておくれ」と言って回った。人びとは、おかしなことだなあと思いながらも、避難をした。
 やがて夜になると、予告どおり大雨で川ははんらんし、猿渡周辺で山崩れが起こった。これを見た村人は「あの子どもは、瀬成の神に仕えているカッパに違いない、よくぞ知らせてくれた」と、カッパをかわいがってやることになった。
 そうするとカッパはつけあがり、田畑を荒したり、子どもを川に引き込んだりして村人を困らせるようになった。
 すると、瀬成の神様が大変立腹されて、カッパに対し「悪さをするなら出て行け、心を入れかえるなら中元寺におらせるが」としかりつけた。これにはカッパもこたえて反省し、石に詫び証文を書いて神様に差し出した。
 それ以後、中元寺の人びとは水難にあうことはなくなった。

 カッパの詫び証文石は、瀬成神社参道入口右側のハゼの木の根元に抱きこまれたようになって残っている。