磨崖仏と岩壁の大梵字

2012年1月26日

 

siseki16-1.gif

 

 

梵字ヶ岩

  

奉幣殿から石段を少し上がり、すぐ右にある小道を30分ほど進むと谷川に出ます。そこで左に登ると小さなお堂があります。お堂の中には、磨崖仏の刻まれている大岩が祀られています。この磨崖仏は大岸壁に刻まれていたのが、いつのころからか岸壁から離れ落ちて谷間にうつ伏せになっていたのに長い間だれも気がつかなかったのですが、15年ほど前に偶然発見されてお堂に納められました。


 

siseki16-2.gif


磨崖仏

 

正面の岸壁を見上げると、残る一体の磨崖仏を拝むことができます。近くまでよじ登って見ますと残る磨崖仏の横に欠け落ちた跡が分かります。本来は、阿弥陀如来様とその両脇に観音菩薩様と勢至菩薩様が刻まれていたのでする。(三尊形式といわれます)。勢至菩薩様は岸壁に残られ、阿弥陀如来様と観音菩薩様は落ちました。観音菩薩様は発見されてお堂に納められましたが残る主尊の阿弥陀如来様は見つかりません。脇侍(左右にお立ちになる少し小振りの仏様)の観音様は優しい御尊顔でいらっしゃいます。
 向かって左側に文字も刻まれています。年代は嘉禎3(1237)年と記されています。ここは新熊野窟と呼ばれます。 向かって左側の岸壁を見上げますと直径3メートルもある大きな3個の円の中に梵字が刻まれています。梵字の意味は左からそれぞれお釈迦様、大日如来様、阿弥陀様を表し、ここに三尊をお祀りしていますということです。だれが、どのような情念をもって刻んだのでしょうか。大梵字の下は通窟といわれています。

お問い合わせ

文化財係
電話:0947-82-5965