智室窟の板碑

2012年1月25日

 

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立ち並ぶ19基の板碑


 

奉幣殿から石段を少し上がり、すぐ右にある小道を20分ほど進むと左側に石段があり、それを上がりつめると板碑がいっぱい並んでいます。(山中には同じような形の墓がありますが,板碑は供養のために建てられた碑です)。
山肌に近く、19基の板碑の立ち並ぶ光景は壮観です。このうち最古の碑は室町時代の嘉吉2(1442)年の建立です。
板碑の中央上部に刻まれている梵字は、ほとんど虚空蔵菩薩様で,阿弥陀如来様の梵字もあります。梵字の下に建立の趣旨と建立者の名前か刻まれ、両側に年月日が刻まれています。第33回忌(最後の供養)を無事済ませたという趣旨の碑が多いです。虚空蔵菩薩様の梵字を刻んだ碑が多いため、ここを「虚空蔵菩薩様」ともいいます。
左手のほうに仏像も祀られています。ここは昔「智室窟」と呼ばれ、修行の場所だったのです。英彦山の窟は洞窟のように深いものでなく、岩陰に近いもので、自然のままでは山の風雨は防げませんでした)。
紅葉のころ、ここからの見晴らしは絶景です。特に夕日が沈むころの眺めは、さながら極楽浄土を望むかのようなうつくしいさで、じっと眺めているとなにか神秘な霊感を受けるような心地になります。

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