唐ヶ谷伝説とトチの木

2012年1月25日

 

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唐ヶ谷のトチの木

 

英彦山神宮の銅鳥居の少し下の所に「琴の茶屋」というバス停がありました。このあたりは唐ヶ谷と呼ばれる所です。ここにむかし(平安時代の始めごろ)唐の国から李氏という琴の名手が移り住んでいました。時の宇多天皇は音楽好きでしたので、石川色子という女官を李氏のもとに送り、秘曲を学ばせました。色子は一生懸命秘曲を学んで京に帰り、天皇の御前で演奏し、お誉めのお言葉をいただきました。このことから、ここが13弦の筑紫琴の始まりの場所といい伝えられています。
このようなわけで、この地を唐ヶ谷と呼ぶようになりました。残念ながら李氏の住んだ屋敷跡などは不明です。


 

唐ヶ谷にあるトチの木は昭和39(1964)年5月7日、県指定天然記念物になりました。
このトチの木は、樹高24メートル、胸高周囲4.5メートルで、県下唯一の大木です。トチの木は落葉喬木で、葉は長柄対生、大形の掌状複葉で、7枚の小葉からなっています。この形が天狗の持っている団扇を連想させます。豊前坊(高住神社)のトチの木の葉は特にそうした感じをいだかせます。
 昭和35年の大山火事でまわりの森林やかたわらの筒井神社は焼けてしまいましたが、トチの木だけは残りました。 

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