中島家住宅等の管理・活用に向けた再サウンディング型市場調査の実施結果概要について

2022年3月31日

  「国指定重要文化財 中島家住宅」の維持と後世へ継承するための管理を担いつつ、活用により、多くの方に訪れていただくことを目指すにあたり、民間事業者等との対話を通じて、『市場性の有無』・『幅広く柔軟な活用アイデア』などを把握し、町としての活用方針や管理・活用を担っていただける事業者を選定するための仕様・公募条件等を定めることを目的とした「サウンディング型市場調査」の結果について、以下のとおり公表します。

 「国指定重要文化財 中島家住宅」等について、文化財建造物として保全を行いながら、本町及び地域活性化に資するために積極的な活用に向けた、あらゆる側面・可能性を視野に入れた活用や運営方法等について再検討するにあたり、民間事業者等との対話を通じて市場性等を把握する「サウンディング型市場調査」を実施しましたので、その結果について以下のとおりお知らせします。

 

 

 

 

1 件名

 「国指定重要文化財 中島家住宅」等の管理・活用に向けた再サウンディング型市場調査

  

 

2 サウンディング型市場調査対象施設

 「国指定重要文化財 中島家住宅」を含む建物・敷地及び関連する土地

 

 

3 調査経過

 

項 目

実施日等

内 容

 実施要領の公表

 (提案募集開始)

 令和4年1月17日(月)

役場前告示板にて公告

町ホームページに掲載

 エントリーシート受付期間

 令和4年1月17日(月)

~2月25日(金)

提出事業者数:4団体

 ヒアリング実施日

 令和4年3月24日(木)

参加事業者数:4団体

 

 

 4 エントリーシート提出及びヒアリング参加事業者内訳

 
参加事業者(代表)の主たる業務区分 「5.ヒアリング概要」の略号
歴史的建造物群の活用による観光まちづくり など A
社会起業家・社会的企業の企画支援 など B
まちづくり団体 C
建物管理業・観光まちづくり団体 D

 

 

 

5 ヒアリングの概要

 

1.「中島家住宅」に対する評価
A 公開の手法、活用手法を含めて判断されるもので現状では判断不可
B 新たな観光資源となり得る可能性はあるが、周辺にはコンテンツが限られる
C "重要文化財"の評価に魅力はあるが、周辺状況から単体で利益を生むこと困難
D 岩石山(佐々木小次郎)・英彦山などのコンテンツを集約・展開する場として魅力的
2.「中島家住宅」の新たな魅力と価値を創出するアイデア
A 「指定管理者制度」による周辺地域等の古民家・空き家等も活用する"空き家活用事業"の活動拠点施設と宿泊施設として活用
B セミナーの開催やイベント実施などを通して、人材育成・掘り起こしを行い、組織・体制整備を図り、設立された事業者による管理・活用(カフェ・宿泊施設等)を担う
C 観光案内・特産品販売を備えた歴史・文化を伝える文化財施設として運用。
年間を通じたイベントの開催
D 主屋では歴史・文化の展示と文化イベントの開催。酒蔵・醤油蔵での軽食を提供するオーディオスペース。将来的には、アトリエ(刃物鍛冶や陶芸など)の併設や体験教室の実施
3.管理・活用事業者として参画の可能性、『2.活用するための事業の提案』に係る条件
 A  「中島家住宅」単体では困難であり、周辺地域の古民家・空き家を含めた全体の事業として取り組む必要がある。地域全体の古民家等の活用を行うための計画策定と一体的な活用するための仕組み導入
 B  歴史・文化を伝える人材の人件費を含めた管理に係る費用と活用整備に係る費用負担については町負担が望ましい
 C  "重要文化財"としての価値を損なわないためにも、大規模な庭園整備が必要だが、他については、ランニングコストを考慮し、最低限とすることが望ましい
 D  高収益は目的とせず、安定して運営ができる範囲での必要最低限の収益を得る事業を目指す。中島家住宅の魅力を発信し、維持・管理することに重きを置いている。そのため、整備に係る費用と併せてランニング費用(マイナス分相当)の支援が望ましい
 4.想定活用開始前までの管理等
 A  管理・活用の指定管理者となった場合のみ、人件費と光熱水費・警備委託料及び備品購入費を町が負担することで、令和4年10月からの管理は可能
 B  町による人件費相当の支援により、イベントの開催やホームページ制作(別途、製作費必要)など、令和4年10月からの管理は可能
 C  直ぐにでも対応可能。最低限の人件費など管理に係る費用の支援
 D  人件費と光熱水費・警備委託料及び備品購入費を町が負担することで、令和4年10月からの管理は可能

 

 

 6 調査結果を踏まえた今後の方向性について

 今回の調査において、町と民間事業者による協働は当然ながら、住民も一緒に取り組むことが不可欠であることが全ご提案事業者の一致したご意見でした。
 また、"重要文化財"という価値には魅力は感じていただけているが、昨今の経済や町及び周辺地域の現状から、単体で収益を生む活用を図ることは難しく、活用するためにはその整備及びランニングコストについて、町による相応の負担が必要となることが確認できました。
 その一方で、ご提案いただいた活用アイデアにより、単なる活用だけでなく「周辺の古民家・空き家の一括した活用」や「"まちづくり"活動を実践する人材育成・掘り起こし」、「文化体験教室の開催などによる芸術文化活動の発展」など、他への波及効果が期待できるご提案をいただけました。
 そのため、今後、調査結果を踏まえ、「中島家住宅」単体だけでなく他への効果を含めた費用対効果を検証のうえ、活用手法及び規模と管理・活用を担う事業者選定に係る公募条件等の検討を進めていくこととします。

 

 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

歴史文化財係
電話:0947-82-1236