JR日田彦山線の復旧をBRTとした経過報告

2020年7月1日

JR日田彦山線が被災して、7月5日には不通になって3年が経過します。
ここにきて、5月末から急に動きが出てきました。

我々も、急な対応を迫られたところであり、皆様方には報告が遅れましたことお詫び申し上げる次第です。

 


このような急展開の背景は、小川福岡県知事が、これまでの沿線自治体の意見も踏まえながら、JR日田彦山線の不通区間の復旧について、BRT注1(バス高速輸送システム)での運行とし、福岡県と沿線自治体同じ方向で、JR九州と協議しようと決断したことです。
復旧につきましては、これまで、運行主体であるJR九州と不通区間の沿線自治体である、福岡県と大分県、添田町、東峰村、大分県日田市、オブザーバーとして国の九州運輸局とで、平成30年4月以降「日田彦山線復旧会議」において検討を重ねてきました。

復旧方策については、住民の皆様の利便性向上、今後とも継続して運行するには、鉄道での復旧かそれとも他の方法での復旧かを中心に議論・検討してきましたが、鉄道での復旧を求める自治体側と、復旧を行う運営主体であるJR九州とで意見の合意が見られず復旧に着手できない状況となっていました。

 

 

このような膠着状況のなか、昨年度末より福岡県議会や九州各県の県議会議員等で構成される「九州の自立を考える会」が、早期復旧のため知恵を絞っていただいたところです。
このことを受け、沿線の福岡県側を束ねる小川福岡県知事がBRTでの復旧を決断されました。

鉄道での復旧を断念することは遺憾ですが、県知事の発言・県の方針は非常に重いものとして受け止めたところです。

 

 

5月17日(日曜日)、知事は東峰村と調整に入り「いろいろ意見をお聞きし、考えたが鉄道での復旧は断念し、BRTでの運行でJR九州と協議したい」との県の方針を東峰村に示したとのことでした。

その際、JR九州案の彦山駅から筑前岩屋駅までのBRT専用道7.9kmを、さらに宝珠山駅まで6.2km延伸する要望を行うということでした。東峰村も、苦渋の選択ということで、BRTでの運行を了承しました。

日田市も既にBRTでの運行案を了承しています。

 

 

添田町には、5月24日(日曜日)、小川福岡県知事が江口副知事、野田企画・地域振興部長、片山交通政策課長を伴って役場に来られました。

知事からは、JR日田彦山線の復旧方針の話がありました。

「早期復旧・ネットワークの維持・利便性の向上のためには、鉄道での復旧を断念し、BRTでの運行でJR九州と協議したい」との考えが示されました。

添田町沿線の復旧・復興については、福岡県もしっかり支援するし、JR九州も添田町の地域振興には一定の理解を示しているとのことでした

 

 

これまでに、JR九州は、「地域の皆様方の生活の軸となる交通手段について、JR九州がネットワークとして確保する」、

「提供するネットワークは速達性、定時性、利便性に重点を置いたものであるとともに、JR九州として継続的な運行の確保ができる必要がある」、

「地域の皆様に、これまで以上にご利用いただき自治体や地域の皆様と一緒になってネットワークを維持していきたい」、「自治体に負担を求めず、将来的にも責任をもって継続運行するための方策は、新しいBRT案である」

と表明を行っているところです。

 

 

添田町としては、一日でも早く復旧を行い、住民の皆様が便利に利用できる日常にしなければなりません。

今回の新型コロナウイルス感染症においても、観光客を含む添田町来訪者が大きく減少しています。

新型コロナウイルス感染症に対応しながら、早く人を呼び込み、地域活性化を図らなければならないと思っています。

これらの状況等勘案し、小川福岡県知事が提示したBRTでの運行案をやむなしとし、早期にJR九州と協議して頂きたいと伝えるとともに、添田町としての要望事項も提出しました。

 


JR日田彦山線の復旧については、BRTでの運行で沿線自治体がひとつになってJR九州と協議することになります。

これからがスタートです。今後BRT運行の利便性等どのようにブラッシュアップするか、皆様からご意見をいただき、次のステップに進めていこうと思っていますので、よろしくお願いします。

 

 

注1 BRT=BAS Rapid Transit(バス高速輸送システム)の略で、日田彦山線では一般道と一部の線路後をバス専用道として、バイアフリーなバス車両で運行するもの。

 

 


令和2年7月1日

添田町長  寺 西 明 男

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