岩石城(がんじゃくじょう)跡(2)

2012年1月24日

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国見岩

 


 

 

「鷲越峠経由登山口」の案内板の横から谷に沿って登れば1.4キロで白山宮奥の宮(8合目)につきます。正面からの登りに比べて時間はかかりますが登りやすい道です。鷲越峠は、戦前までは添田地区と下津野地区との大切な交通路でしたが、いまは通る人はほとんどいません。
 鷲越峠から道を左にとって尾根伝いに登ると、途中、大きな岩が道の真中にあります。さらに進むと「堀切」が2ヶ所あり、あと少しで東西に走る尾根道に出ます。左(西方)に進めばすぐ白山宮奥の宮の曲輪に出ます。
尾根の東端に大きな岩があります。このあたりは最後の守りの地でしょう。獅子の横顔によく似た大岩は国見岩(獅子岩ともいう)です。この上に立つと添田町の役場周辺が手に取るように見えます。北の方は田川市を始め、周防灘を行き交う船まで見えます。もちろん南には英彦山に連なる山々の神々しい姿も美しく見ることができます。国見岩の隣は梵字岩といい、梵字が刻まれています。英彦山修験道と密接な関係を示すものです。東の詰めには、ほぼ真四角で平たい岩八畳岩があります(実際には八畳より広い)。
なお、この山は、太古、韓国から兄妹の三神「ソホリの神」が渡来して、持ってきた木の種をを蒔いて、この岩ばかりの山を開いて緑の山にしたので、はじめは「ソホリの山」、山の西側の野を「ソホリの野」といっていました(『白山縁起』)。後に野が開拓されて「ソホリの田」となり、「ソホリ田」が少し変わって「そえだ」となったのかもしれません。『日本書紀』「神代記」には、「添山」と書いて、「曾褒里能耶麻」と読ませる部分があります。

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