広報そえだ町長室(広報そえだ 令和元年5月号掲載)

2019年7月4日

教育は今、大きな変化の時代を迎えています。

教育環境整備では香春町や福智町、田川市、川崎町の小学校、中学校の統廃合が着手されています。

添田町においても小学校の統合の話し合いを行ってきました。これからの小・中学校教育は環境整備も含めどうあるべきか、それに行政としてどう対応するのか考えてみました。

 


前東京大学学長の小宮山先生が、近代以降に確立されてきた「小・中・高・大システム」は、いわば産業革命の兵士を育てるようなシステムだと言っています。

その中で従来型の教育にいくつものほころびが出ているとも言っています。

幼少期を見れば、少子化・人口減少という面もありますが、地域社会の子育てへの関与が薄くなり、就学前の幼児が社会教育を受ける環境が無くなってきています。

そうなると、今後は保育園、幼稚園、小学校などがその役割を担わなければならないのですが、子どもが少ないことで子どもの社会化、切磋琢磨して向上していく社会としての環境整備ができ

ないという問題があります。

 


一定数の子どもの数が揃い、それぞれ個性ある子どもの社会化ができたとしても、教育内容と申しますか体制に課題が残ります。

社会経験の乏しい若い教師だけでは荷が重いし、多様な経験を持つ多様な集団が、児童・保護者・PTAと共に成長する機関になっていかざるを得ません。

教育は「誰かが誰かを教える」感じがしますが、「お互いに成長していく」ような仕組みを構成することが必要ではないかと思います。

 


「先生の質が落ちた」「最近の先生はだめだ」と言われますが、そうではなく先生は真面目で優秀です。

実態をみますと、大学の教員免許を取れる過程を経て、22歳で先生になる。

そうすると、大学入学前の高校のときに先生になると決めないと先生になれません。

そして先生になり、そこで学校に入って、いじめ問題などを経験するわけです。

この問題にどう対処するのか。自分で解決することなどできないと思います。

誰かに相談しないといけないはずです。

相談するのは教頭先生とか校長先生だと思います。
なかなか、教頭先生も校長先生も教育現場という極めて狭い経験での対処になりかねないと考えます。

 


誤解しないでもらいたいのですが、先生が優秀か優秀ではないかを言っているのではありません。

学校に教員集団という仕組みを作り教育にあたってはどうかとの提案です。

狭いながらも、いろいろな違った多様性を持つ人たちの集まり、すなわち教員集団です。

学校の教員が20名から25名とすれば、この教育の専門家と多様な経験を持った人たち5名位で教員集団を作れば、良い教育ができると思います。

 


「若い人を雇いたい」「雇う数が減っているときに、年寄りを雇う金なんてない」と言われるかもしれません。

経験豊かで年金を貰っている人たちがいます。そんなに高いお金を払う必要はないと思います。

さらに、このような教員集団にうってつけのいい人が必ずしも教員免許を持っているかというと、そうでもないという現実もあります。

しかし、今は教育委員会が特別免許状を出せます。

文部科学省の通知が行き渡っておらず、多くは行ってはいないようですが、教育委員会がやる気になればできるのです。

 

 

行政的には教育委員会の所管ですが、個性ある多くの子ども達が集まり社会化していく学校現場で、育てる側の環境整備も皆さんと共に考え実行できればと、思ったところです。

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